HANOI（ハノイ）ベトナムの食卓｜コンセプト

店の代表料理のひとつである、「フォー・ガー（鶏のフォー）」。初めて食べたお客様は「フォーのスープって、こんなに濃厚なものなの？」と驚く方がたくさんいらっしゃいます。

フォーのスープは淡白なものだと思われている日本の方も多いのですが、新鮮な鶏の旨味を丁寧に引き出した当店のスープは、濃厚なコクがありながらも、もたれずさっぱりとしています。他ではなかなか味わえないものだと自負しております。
同様に、魚介など他の素材ベースのスープも、その他全ての料理も、同じく吟味した素材を使って手間ひまをかけて作られています。

本場の美味しさに近づくよう、味の決め手となるスパイスやソースは全てその都度手づくりしています。
「レモングラス味噌」は自分の畑で採れたレモングラスを粉砕して発酵させ、様々なハーブやスパイスと合わせて作ります。「チリソース」もニンニクの臭みが落ち着くまで時間をかけて熟成させたものを使用しています。

自分たちで畑を持ち、毎朝収穫に行きます。ベトナム料理には欠かせないパクチーやレモングラスなどのフレッシュハーブ類やハヤトウリなどの野菜も、できるだけ自家栽培のものを使うようにしています。

ベトナム南部最大の都市であるサイゴンから北東へ約450kmの海辺の町、ニャチャン。かつては港町として賑わい、美しい海岸を擁するこの町で、私たち姉弟は、料理上手だった祖母と母親の心づくしの手料理を食べて育ちました。
その暮らしのなかで、姉は祖母の手伝いをしながら郷土料理の手ほどきを受け、家族の伝統を継承してきたのです。
豊富な魚介資源のみならず、養豚なども盛んなこの町の豊かな食文化に育まれたことが当店の料理の原点であり、その哲学にもなっています。

また、ニャチャンはかつてフランス領だった頃のベトナムにおいて、その風光明媚さからリゾートとして大きく発展を遂げた土地柄。当店の料理においても、繊細な味付けや上品で美しい盛りつけは、どこかフランス料理の流れを汲む洗練さを備えています。

フォーの美味しい食べ方にもあるように、ベトナム料理は食べ方によっても更に複雑な美味しさや、一皿でさまざまな味の変化も味わうことができます。

食べ方がよく分からない料理は食べ方やスパイスの加減をご説明したり、パクチーが苦手な方のために、あらかじめパクチーを入れるかどうかを尋ねたり、料理の量の加減などもお客様のご要望に合わせてこまやかに行っています。

はじめてベトナム料理を食べる日本人にも楽しく美味しく食べられるように、また寛いでリラックスして過ごしていただくために、心の通ったコミュニケーションを大事にしています。

今では家族ぐるみで応援してくれる近隣の常連さんもでき、お店の味のファンとなって都内や県外からもはるばるお客様が通ってきてくれるようにもなりました。とても嬉しくありがたいことです。

これからもお客様の期待に応えられるよう、真摯に料理に取り組んでいきたいと思っています。
どうぞ気楽に遊びに来て下さい。